人工透析(腎臓内科)

腎臓内科

 腎臓病は自覚症状に乏しい疾患です。したがって、職場健診の際に蛋白尿などの検尿異常により、偶然に発見される場合がほとんどなのですが、この時期に病気だと自覚される方は少ないように思われます。しかし、一定以上進行すると、根本的な治療と言えるものが無く、早期発見早期治療開始が大切な疾患でもあります。
 当院では、定期的に通院していただき、検尿や採血検査による経過観察とともに、蛋白制限や塩分制限をはじめとする食事療法や薬物療法の紹介をしながら、腎疾患の悪化を最小限にすべく努力しています。
 また、腎疾患の原因検索として重要な腎生検に関しましては、必要時には当該医療機関へ紹介するとともに、得られた検査結果に基づきその時点での治療選択を行います。

人工透析

 堤病院では近年増加の著しい慢性腎不全患者様のために平成12年6月に血液透析室を開設いたしました。
 現在、多人数用透析装置、個人用透析装置を用いて100名の患者様の血液透析を行っていいます。また、血液透析濾過装置を用いて全身状態の悪い患者様のために血液透析濾過を行っています。設備も感染対策に留意し、感染予防管理室を設けています。
 透析室で働くスタッフは、腎臓内科、代謝内科を専門とする医師を中心に、臨床工学技士および専門看護師で対応し最も充実した体制で、慢性腎不全患者様の円滑な透析と長期維持を支援致します。
透析治療を受けている患者様は1日おきに来院し、治療が生活の一部になります。少しでもリラックスして治療を受けられるように、明るい雰囲気を持った透析室をスタッフ一同心がけています。

管理者より

 近年、糖尿病による二次性の腎障害が増加しており、約8割の方が糖尿病性腎症の方です。また、同時に、高齢者の透析者数も増加がみられ、高率に合併症を発症されることが予測されます。
 当院では、この傾向に対して、採血データなどに基づいた食事や水分管理の指導、フットケア等の全身管理の指導、さらに、眼科などの専門外の領域に関しては、他施設への積極的な紹介を行い、安定した透析生活と合併症の早期発見と治療に努め、全身ケアとしての透析療法を目指しています。 病院長 岩下 裕一

人工透析とは

 血液透析は本来腎臓で行われる老廃物の排泄や体液量の調節、電解質や酸塩基平衡の調節を機械的に行う方法です。
通常血液を取り出しやすくするために外科的に動脈と静脈をつないだシャントを作成します。このシャントに針を刺し血液を取り出しダイアライザーと呼ばれる人工腎臓に血液を通し体に返します。
この一連の流れを連続して行うことにより、老廃物や過剰な水分を除去し、不足している電解質などを補給し体液を正常に近づけます。この治療は1回4~5時間、週2~3回行うことが必要です
 糖尿病の方も病気が進行すると血流障害が起き、多くの血液を処理する腎臓が働かなくなって欠栄樹透析治療が必要となります。こうした糖尿病性腎症からの増加などによって、血液透析治療を受ける人の数は毎年1万人ずつ増えており、全国で27万人にもなってきています。

送迎について

 堤病院ではより快適な透析ライフを送って頂くため、通院の困難な透析患者様の送迎を実施しています。
対象地域:人吉市内全域、球磨村、相良村、五木村、錦町、あさぎり町
※リフト昇降により車椅子での乗車も可能です。

血液透析開始時間

血液透析開始時間表

午前|8:25〜
午後|13:50〜
 ※午後の透析開始時間は午後1時50分~午後6時までの入室設定を設け、遠方から通院される方やお仕事をお持ちの方が治療を受けられるように対応しています。

臨時透析の受け入れについて

 旅行・帰省などで臨時透析を希望される方の透析をお受けしております。臨時透析には、現在透析を受けておられる病院の先生やスタッフからの紹介状、透析条件やデータが必要となります。

自己管理の重要性

元気な毎日を送るためには日頃から自己管理が必要です。
透析から透析までの間、体内の老廃物や水分は充分に排泄されません。そのため、水分制限や食事に工夫する必要があります。また体調維持のためには、常にからだの状態をチェックすると同時に適度な運動を行うなど、きちんと自己管理を行う必要があります。